#27 ピアノの上手な演奏とは

良い感性

演奏に必要な感覚

お子様の上手な演奏とはどのような演奏でしょうか?もちろん表現力やテクニックですね。今日は少し専門的な話になりますが、私が考える良い演奏は、調性感、和声感、終始感、そしてフレーズ感リズム感です。

調性感


ピアノ経験者の方は、なるほど~と思われるかもしれませんが、それはどういうことですか?と多くの方に聞かれそうなので、ご説明させていただきます。調性というのは、ハ長調、ト長調、ニ長調…のことです。ピアノは#♭が増えると黒鍵が増えるので、白鍵ばかりのハ長調から書かれているテキストが多いです。ハ長調は何も#♭がつきません。でも、弦楽器の方はイ長調が開放弦で弾きやすいので、#3つから弾き始めます。

以前グループレッスンをしていた時は、最初から色々な調に変えて弾いてもらっていたこともあります。園児に全調移調などをしていた先生もいらっしゃいました。他の調に変えることを移調と言い、曲の途中で調が変わることを転調と言います。よく移調と転調の違いは何ですかとご質問をいただくので書いておきました。ピアノを習いたての頃は、曲が短いのでハ長調だけの曲が多いですが、だんだん曲が進んでくると一つだけの調で終わっている曲はあまりなくどんどん転調していきます。

#系はト長調→ニ長調→イ長調→ホ長調→ロ長調→ヘ長調→嬰ハ長調という風に#の数が増えていきます。
♭系は、 ヘ長調→変ロ長調→変ホ長調→変イ長調→変ニ長調→変ト長調→変ハ長調という風に♭が増えていきます。こちらは、呪文のように覚えてしまいましょう。

余計に分からなくなってしまったかもしれません…。ただお子様は、今弾いている曲が何調かについて名前は言えるようになっていると思います。今弾いている調が何調で、何調に調が変わったのかまでちゃんと説明できると良いと思います。色塗りなどでグルーピングなどをしても良いでしょう。

和声感

ハーモニ―感とも言われます。例えば、主要3和音で説明するとハ長調であればドミソがⅠ(いち度)、ドファラがⅣ(よ度)、シファソがⅤ7(属7)です。Ⅴ7(属7)からⅠ度に戻るから曲が終わったような気がするのです。またⅠ度からⅣ度になると広がったような感じがしますよね。この感覚も小さな頃に身に付けておきたい感覚です。

ハ長調の場合、ドミソⅠ レファラがⅡ ミソシⅢ ファラドⅣ ソシレⅤ ラドミⅥ シレファⅦ です。音楽では第5番目の音を属音と言い、ソシレファというソから数えて第7番目の音を足した和音は属7(ぞく7)と読みます。

終始感

日本語の句読点にあたる部分です。~で、~しました。ですね。それを音楽では、終始と言います。~で、にあたるまだ続く感じがする、は半終始と呼ばれています。曲が長くなってくるとたくさんの終始があります。終わったような感じがするように閉じて演奏します。

フレーズ感

音のまとまりです。小さなフレーズをどのように歌っていくか、どこに向かっているのかを表現します。

リズム感

ピアノを習っているとワルツ、メヌエット、ミュゼット、マズルカ、ブーレ… 色々な舞曲を習いますよね。2拍子、3拍子のリズムを感じて弾くこと、とても大切ですよね。


少し難しく感じられたかもしれません。でも、これらのことはグレード試験やコンクールの講評などで書かれているのを読まれたことがありませんか?

こちらは、あくまでも私の考えなので全て正しいわけでは無いかもしれませんが、もし良ろしければ参考にされてみてください。

聴衆をを魅了する

そして、やっぱり最終的には人を惹きつける演奏ですね。私は、学生の頃これが出来ませんでした。「あなたの演奏は、上手でそつなく演奏しているけれど、訴えるものがないのよ…。」と先生に言われていました。それを聞いて、ピアノって難しい…。音楽は好きだけれど、人前で弾くのは自信が無いから嫌…そう感じていました。セルフイメージもかなり低いですね。足りなかったのは、人前で弾くステージ体験と内側から人に伝えようとするエネルギー、練習の仕方、本番への集中力の高め方、言葉で表現するのが難しいのですが、ピアノと何かお話しするような体で音楽を感じることです。一日中ピアノを弾いていたい…、ピアノが恋人のような…そんな感覚です。でもそれが感じられるようになった頃、急激に練習量が増えたので少し手を痛めてしまったこともあります。皆様もお気をつけて下さいね。好きな作曲家や自分に合う時代(ロマン派や近現代など…)が見つかったことも自分の強みになりました。試験やオーディションなどで強みをアピールするようなプログラムを組んでいくことも学びました。周りからも「存在感がある」と言われる、私の演奏を聴いてくれた方が泣いている…徐々に評価が変わっていきました。


音楽史を知る

音楽の歴史は大きく分けると4期に分類される

古い時代から順番にバロック期、古典派、ロマン派、近現代です。バロック時代は、バッハやヘンデル、テレマンなどが活躍した時代ですね。古典派は、モーツァルト、ハイドン、ベートーベン。ロマン派はショパンやシューマン、シューベルト。近現代は、ドビュッシーやラベル、バルトークなど…。コンクールなどに出演される方は、小さいころから何となくこの4期の感覚が身についているかもしれません。例えば、予選がバロックで本選はロマン派・近現代などが課題曲になっていることもありますね。時代によって様式や音色の違いを感じたり、好きな作曲家や時代が見つかると良いですね。

伝記を読む

こちらは小学生以上のお子様向けです。音楽史の本もたくさん出ていますが、作曲家の本を読むこともお勧めです。マンガも出ていて、時間もあまりかからずとても読みやすいです。作曲家について理解を深めることが出来ます。小学生ならまだ日本史も世界史も習っていないと思いますが、話の中には当時のヨーロッパの生活やフランス革命やナポレオン、ゲ―テなども出てくるので、歴史も知ることが出来、世界史を習い始めたときにつながっていくのでは…と思います。

小学校の図書室で借りた本も混ざっています。
「世界の伝記」より 左から順番にショパン、ベートーベン、クララ・シューマン、モーツァルト

エビングハウスの忘却曲線

人はどのくらいで忘れてしまうか?

人の脳は1度勉強したことを1時間後には56%忘れ、1日後には74%、さらに1週間後には77%、1カ月後には79%を忘れるそうです。なので、レッスンで聞いたことは1時間後には半分以上忘れているということになります。1日後には74%も忘れているのです。

復習のタイミング

可能であれば、レッスンから帰ってすぐに復習が望ましいです。そして練習と練習の間も、あまり時間を空けず毎日の練習が必要ですね。復習は、初めてのときよりも早く記憶を戻せるそうです。また何度も繰り返して勉強した場合は、すぐに忘れる事はないそうです。

ウィキペディアより:エビングハウスの忘却曲線


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